昨日(2/2)NHKBSイッピン(PM7:30)の放映から、山ぶどう皮網代編手提巻手の御注文が続いています。さすがにメディアの力ですね。2011年秋のNHKBS「美の壺」では、凄い反響がありました。今回は、それ程ではありませんが、手仕事専科・宮本工芸の春先のご案内でしたので、タイムリーになります。山ぶどう皮やあけび蔓細工は、冬場よりも3シーズン向きの小道具(ギア)です。特に爽やかな風と青い空の下で大きめの手篭にお料理や飲み物を入れて、ピクニックや一寸した買い物に出かけるのは、楽しそうです。
山ぶどう皮、あけび蔓細工は、東北や信州などに古くから伝わる山間地や山里の伝統工芸です。あけび蔓細工が広く作られるようになったのは江戸時代後半からと言われます。しかし、始まりは縄文時代と言われるほど古い歴史があります。あけび蔓細工品は青森県郷土館の発掘調査の中で、弥生時代にその歴史の端を発することが分かりました。当時は、こだし編みのものが主流でしたが、平成6年に三内丸山遺跡の中で、新たにブドウ皮風のポシェット(網代編み)が発見されました。この発掘で縄文時代中期には、既にぶどう皮、あけび蔓細工品が使用されていたという事が明らかになりました。このブドウ皮ポシェットは紀元前4500年頃のものでほぼ完全に近い形で出土された事もあり、大変に重要な価値があるとされています。現在の産地としては青森県の津軽地方、秋田県の美郷町、山形県の月山など東北地方のほか、長野県の野沢温泉村が有名です。雪深いこれらの地域では、冬の農閑期に、あけびの蔓で細工品を作っていました。元々は農作業や食料品を収納する暮らしの道具でしたが、その美しさが訪れた人の間で評判となり、昭和30年代から50年代には、デパートや民芸品店でこぞって買い求められるになりました。しかし、高度成長期を経て、ビニールやプラスチック製品が世に出回ると衰退を余儀なくされ、伝統を受け継いだ工房や編み手は、今では貴重な存在となっています。昨日ご紹介された宮本工芸には、近在のりんご農家の年配の職人さんも沢山おられますが、若いこれからの職人さんも作られています。三上徳仁さんは、長年山ぶどう皮から、網代編手提巻手の手篭を作り続けられています。
幾つかの手篭をご紹介しますので、ご覧ください。
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NHKBS美の壺で放映の頃(2011.11月) の三上徳仁氏 |
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・薄型ほら編みリング手 中 |
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