2017年7月26日水曜日

「ふるさと・まほろばの飛翔」が、「日本現代工芸美術展」本会員賞を受賞する!

現代津軽こぎん刺し作家の貴田洋子氏が、この春に開催された、「第56回日本現代工芸美術展」で本人初となる本会員賞を受賞されました。
すでに手仕事専科の美術工芸作家の頁で、彼女をご紹介しています。
伝統工芸の津軽こぎん刺しは、紺地に白の生成りの木綿で刺すものですが、彼女の作品は、アートとして、刺しています。
 今回受賞した「ふるさと・まほろばの飛翔」は、縦160cm、横140cmの大作で、伝統の幾何学模様に加え、刺した布地の裏側も美しいことを知ってほしい」との思いから、あえて裏模様との対象的な構成とし、モノトーンの落ち着いた世界観を表現している。(平成29年4月22日東奥日報)
 私は、カラフルな美しいこぎん刺しは、四季の美しい津軽・八甲田や奥入瀬渓流の秋や新緑を彷彿とさせますが、モノトーンは、冬の津軽平野を思い起こさせます。


第56回日本現代工芸美術展」本会員賞
「ふるさと・まほろばの飛翔」
現代津軽こぎん刺し作家
貴田洋子氏
東奥日報(平成29年6月16日発行)から、ご紹介いたします。
”貴田洋子さん(大鰐出身)こぎん刺しを未来に”
津軽こぎん刺し作家の貴田洋子さん=大鰐町出身、埼玉県所沢市在住=は、埼玉県立近代美術館(さいたま市)で開催中の「県展(21日まで)に「ふるさと・あのころを舞う」を出品。おなじみのモチーフ「八咫烏(やたがらす)」が8羽、作品の中を自由に舞っている。
同展と、日本現代工芸展、日展の3展覧会は「私にとって、作品そのものの向上と勉強の場であり、私自身が成長する場」と話す。
「生活の中でこぎん刺しを生み出した津軽の先人がいるから、今の自分がある。
先人と同じ思いで、こぎん刺しの美しさを守り、未来につなげたい」(白取心平)

八咫烏とは
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2017年7月25日火曜日

宮染の制作風景(中川染工場)

今日は、小山駅構内shopように宮染「中川染工場」の仕入で伺いました。
宮染は、夏季を迎えて、人気商品です。
しかし、手ぬぐいは、既に生産のピークは過ぎて、夏季の物は終了していました。
工場の干し場には、ゆかた生地のオーダー品が、並んでいました。
こちらも等にピークを過ぎており、今扱っているのは、特注の物なのでしょうか、場内は、少しゆったりとした雰囲気が漂っていました。
浴衣地は、デザインが生きるし作り甲斐のある染ですね。
幾つかを手に取ってみました。
紺に鮮やかな白抜きの文様です。
欲しくなりました。

手仕事専科のオリジナルの浴衣地や単衣を創りたいと思います。
夢になるかな。
普段は、ベテランの方々がいるのですが、若い女性陣が、注染の作業に就いていました。
画像に収めてきましたので、ご覧下さい。
染終わった浴衣地を洗い、
干しています。
巾1mの型紙です。
1反の木綿地にこの型紙で
糊をつけて、注染に移行します。
糊付けの作業。
糊付けの作業。
注染の作業
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「大麻という農作物」著書の紹介

手仕事専科には、大麻博物館のページがあります。
すでに麻の専門店として知られていますが、この工房とは、長い話になります。

その前に麻との出会いがありました。
野州麻紙工房は、当時栃木県立博物館の学芸部長だった柏村祐司氏よりご紹介をいただきました。大麻草から和紙を漉いている大森芳紀は、若いご夫妻ですばらしい取り組みをしていました。
当時人気のあった坂本竜馬にでてきた岩崎弥太郎の家の古ぼけた壁は、彼の造ったものです。ほかには、納屋というギャラリーをつくられて、麻紙製品の販売や麻のパスタなどの軽食も提供していました。才能あふれる若者でした。

大麻博物館は、那須高原に大麻に関するショップがあるとの情報から、その頃に尋ねたものです。鹿沼産の精麻をつかい、いろいろなアクセサリーや世界中の苧麻の製品を展示販売しています。
大麻博物館は、高安淳一氏が、大麻に対する想いから作られたものです。
出会って驚きでした。
自分の前身は、ホテル勤務ですが、当時のブライダル写真やお客様の写真販売などで、長い付き合いでした。
先代からの付き合いです。
「なんで!?」が、開口一番です。
私もですので、お互い様です。

そんなこんなで大麻博物館とは、7年を超えるお付き合いになりました。
全国広と言えども、博物館は、こちらだけです。
ブレスレット、精麻でひもづくり(小冊子)、祝い大麻飾りなどが、一番人気でしょうか。
そのような高安淳一氏の想いを「大麻という農作物」(大麻博物館著)をまとめました。
日本の大麻は、海外のマリファナやハッシシといった嗜好品とは一線を隔しています。日本文化として、天皇家と大きくかかわってきました。これだけの文化と歴史に裏付けられた大麻草が、同一視されるのかが、分かりません。
大麻草は、有益な植物です。
ぜひ、一度ご覧頂ければと存じます。
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大麻という農作物
「日本人の営みを支えてきた植物とその危機」
定価 2,000円(本体1,852円+税)
大麻博物館 著
(手仕事専科で、販売しています。)
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大麻という農作物
「日本人の営みを支えてきた植物とその危機」
定価 2,000円(本体1,852円+税)
大麻博物館 著
(手仕事専科で、販売しています。)
大麻畑の大麻草
精麻用のものは、密集させます。
精麻(1束)
巾2~3cm×長さ1.9m
これが1本の大麻草からとれる
精麻です。

(え”大麻”!実は栃木が誇る農作物です)
大麻は、「麻」「ヘンプ」などの別称を持つ、アサ科の一年草です。
違法な薬物として認識されることが多いこの植物ですが、日本では、縄文時代の遺跡から大麻の種が見つかるなど、古来より生活に親しまれ、繊維を衣服や縄・釣糸・漁網に、種を食料に、茎を建材に、葉や根を薬用にと幅広い用途で利用してきました。主要な作物であった名残は、「麻」と名がつく多くの地名や人名にも残されています。
また、神道の世界では、その繊維を清めの道具として用い、伊勢神宮のお札は、現在も神宮大麻と呼ばれるなど、日本の伝統文化・生活文化と非常に密接な関わりを持つ「農作物」でした。
しかし、工業化の波に乗り遅れたことや、法律の影響(現在、大麻の栽培には、都道府県知事が発行する大麻取扱者免許が必要です)、違法な薬物というイメージの固定化により、その価値や有用性は忘れ去られ、1950年には国内に約25.000件あった大麻農家が、現在は約40件にまで減少しています。
栃木は、陶酔作用がないよう改良された品種「とちぎしろ」の栽培を現在も続けており、国内生産の約90%を占める大麻の一大産地です。
大麻博物館では、2001年の開館以来、栃木が誇るべき農作物「大麻」に関する様々な情報を発信しています。

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2017年7月10日月曜日

現代津軽こぎん刺し作家 貴田洋子の作品・・・VOL.01

現代津軽こぎん刺し作家貴田洋子氏のhpが、今日でほぼ完成出来ました。
手仕事専科は、伝統工芸品の通販を目的にしています。
しかし、敢えて美術工芸・作家の頁をつくりました。
本来は、職人を対象にした「手仕事」のご紹介が目的ですが、絵画も工芸品も同じ地域の土壌に根ざしたものであり、兄弟姉妹のようなものだと見ています。
貴田洋子氏は、こぎん刺しに魅せられて、現在のような大作を刺して、生活の中の美ではなく、美術工芸としてのこぎん刺しを創られています。
貴田洋子氏の略歴をみると当初は、幾何学文様のこぎん刺しをテーマにし、絵画的な手法から、色彩感覚豊かな作品を創られていました。
繊細なそれでいて温かみのあるチャーミングな女性らしい作品です。
私はhp作りの中でそれらの魅力を知りました。
その中に好きなる作品が沢山ありました。
その後に2,000年を境に大作を作り、日展や現代工芸美術展に応募するようになりました。
八咫烏(やたがらす)が登場します。
秘められた力を持つ八咫烏(やたがらす)を刺し描くことで、作品に力強さが加わりました。
それらの鳥が、群舞し、乱舞する情景は、圧巻です。
大作品には、八咫烏(やたがらす)の乱舞は、似合うテーマであり、月や太陽、津軽の雪、・・・・と自然の中にいきる構成になります。
貴田洋子氏は、数多くの賞を得て、現代津軽こぎん刺し作家として、第一人者と言えるでしょう。
今回のシリーズでは、彼女の略歴から、幾つかの作品をご紹介します。

Vol.01  大作品(八咫烏)
Vol.02  大作品B(幾何学模様のテーマ)
Vol.03  小作品(2,000年以前のもの)

なんといっても圧巻なのは、大作です。
月や太陽、大雪原に舞う・群れ飛ぶ八咫烏(八咫烏)は、その力強さに秘められた何かを感じます。
 私は、その津軽に7年もの間、過ごしました。
西や東、北から、南まで、雪や温泉に、四季折々の津軽、十和田や奥入瀬、御岩木山、八甲田と愉しみました。
私の第二の故郷です。
これらの大作からその情景が、目に浮かぶのです。
これらの3点の大作は、御岩木山、弘前城の桜や地吹雪の舞う五所川原を背景にしています。

津軽人は、拘りのじょっぱりであり、一言では語れない人々です。
津軽は、芳しい香りのある地です。
いまだにお付き合いが、続いているのが嬉しい。

貴田洋子さんと出会ったときにかつての職場の若い女性スタッフを幾人も思い出しました。
津軽は、美人が多いのですが、相馬男に目屋女といい、美男美女の産地です。
貴田洋子氏は、まぎれもない津軽人(女)です。
あす・への飛翔
2013年 現代工芸美術展賞 
        160cm×135cm 
人は大きな悲しみ・苦しみ・悩みを背負い生きる 
でも小さな喜び・希望・勇気・夢を持てる 
あす・へみんなで飛ぼう。
貴田洋子氏
とてもチャーミングな方です。
でもじょっぱりな津軽人(女)。
津軽の方は、好きです。


つがる・桜月の飛翔
2014年 現代工芸美術展     
 160cm×135cm 
津軽の春、美しい風景はほんのいっ時  
爛漫の桜も、月に舞う鳥に散らされてしまいそう、
  ここは、ひろさき。
まほろば・津軽平野の舞        
      160cm×135cm 
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