2020年9月7日月曜日

最後の職人-雄勝硯Vol004

先程、今朝の写真撮りの話をしました。
手仕事専科では長年雄勝硯開和堂硯舗山崎勝をご紹介しています。
先に雄勝硯生産販売協同組合に事務局長の千葉隆志氏を訪ねいろいろな話を伺いました。
雄勝硯生産販売協同組合として長年実績のある組合ですが、組合の商品を現在雄勝で作られている樋口昭一氏は最後の職人になると言います。樋口氏は被災から雄勝町を離れています。そして週に3日程雄勝に来て硯を作られています。
これ程までに雄勝硯が衰退しているのかと驚きでした。

私の知る開和堂硯舗の山崎勝氏もその最後の職人のひとりです。
山崎勝さんは、震災でお母様と奥様を亡くされています。もう随分と御高齢になられています。目の前で硯を彫って見せてくれましたが、黒色硬質粘板岩の雄勝玄昌石は、程よく削られてゆきます。あの美しい硯は職人の長年の技能によります。
被災後は仙台市近くの太子堂に住む娘さんご一家に身を寄せ、小さな工房で作り続けていました。最近やっと落着いて雄勝町に戻りましたが、デパートの実演販売で雄勝硯をつくり続けています。
私の手仕事専科で雄勝硯の「最後の職人」の商品をご紹介することになります。

「最後の職人」の響きは、言葉になりません。
致し方ないのでしょうか。写真撮りをしながら、何が何でも多くの方々に雄勝硯の良さを知り使って頂きたいと思いました。
雄勝硯は、雄勝玄昌石は、美しい黒色硬質粘板岩です。
それを室町には硯として、今は更にTABLE WARE、CRAFTとして、商品化しています。
私の矜持は、雄勝玄昌石、雄勝硯を使い続ける拘りだけだと思いました。
その伊達家の歴史と綿々と作り続けた雄勝の石工職人、グローバリズムという価格一辺倒の物の持つ本質の価値に重きを置かない生き方ではありません。
伝統を生きるとは、「生き方」の矜持です。
それが「和美との生活」です。
開和堂硯舗山崎勝
・天然石共蓋付硯四二寸 松彫¥10,000
 サイズ 横2寸×縦4寸 
■商品コードOT-09107■

注文(メール
樋口昭和堂 樋口昭一氏
下野・会津・津軽のブログ」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。株式会社とぴい企画  080-5089-9227  topykikaku@ybb.ne.jp 下野・会津・津軽の四季風景 ■下野・会津・津軽の歴史街道 ■和美との生活・和美空間 ■伝統的食品のブログ

雄勝石の盛付の美しさ-雄勝硯.Vol003

昨日今日と雄勝硯の写真撮りを行いました。
既に天然石共蓋硯などの頁は開和堂硯舗山崎勝でご紹介済みですので、これらは雄勝玄昌石をつかったTABLE WAREになります。
石のプレートですね。
写真撮りをして思いましたが、女性陣からみたこの器は、とても使いにくいものだと思います。拘りを持たなければ、使うことは出来ない商品です。
良い点から見て見ましょう。
1.美しいプレートです。
  黒色硬質のきめ細かさで女性の黒髪を彷彿させる艶めかしい印象を持ちました。
2.石板(プレート)であることから、それほど高価なものではありません。
  石を彫る作業が伴いますが、いろいろなバリエーションを持つことが出来ます。
3.雄勝硯の歴史は、室町時代には始まっています。
  そして、伊達家の直轄となって保護された歴史を持ちます。
マイナスの面
1.ナイフやフォークが使えない。
  石面が、傷ついてしまうために箸だけになります。
2.若干重たく、使う場合にはそれなりの使い方が伴います。

写真撮りをしていて、その美しさに魅せられてしまいました。
機能性ではなく雄勝石のプレートにこだわりたいと思います。
盛り付けの美しさを写真からご覧ください。
手仕事専科    http://tesigotosenka.com
開和堂硯舗山崎勝 http://tesigotosenka.com/ogatusuzuri.html
雄勝硯生産販売協同組合(2週間程先のアップ予定)
-----------------------------------------
雄勝硯の歴史は大変古く、室町時代初期に遡ると言われています。江戸時代の初めには、牡鹿半島の遠島(とおじま)へシカ狩りに来た伊達政宗に、硯を二面を献上して、いたく称賛され、褒美を授かったことが伝えられています。
また伊達家の二代目忠宗もその巧みな技に感服して、硯師を伊達藩に召し抱え、硯の原料が採れる山を「お止め山(お留山)」として、一般の者が石を採ることを許さなかったと言われています。
このように雄勝硯は応永の昔より名硯として賞美され、以来600年の歴史と伝統を誇り、営々として命脈を保ち続け、依然昔ながらの手作りの製法により、硯工人の腕ひとつ、呼吸ひとつで、丹念に彫り上げられています。
-----------------------------------------
下野・会津・津軽のブログ」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。株式会社とぴい企画  080-5089-9227  topykikaku@ybb.ne.jp 下野・会津・津軽の四季風景 ■下野・会津・津軽の歴史街道 ■和美との生活・和美空間 ■伝統的食品のブログ

2020年9月5日土曜日

雄勝玄昌石のTABLE WARE-雄勝硯Vol.002

昨日は、手仕事専科四季風景ブログで雄勝硯を訪ねたことを記しました。
自然の営みは人知を超えるものです。
雄勝町の町内のナビが、使えませんでした。
被災前の道路と新しく造成された大規模防潮堤内の現在の道路が全く違うからです。
この大規模防潮堤と高台に家々の並ぶ景観は私にはショックでした。
大自然の恐ろしさから、人間の英知はこのような景観になるのでしょうか。
自然と共生する英知は異なると思うのですが、悲しい景観です。

手仕事専科には開和堂硯舗山崎勝があります。
お取引をして既に7、8年になるでしょうか。雄勝硯のお取扱いのwebsiteが少ないことから人気です。天然石共蓋の硯が得意です。年に幾度も全国のデパートの実演販売で出張しています。東京や大阪広島などですが、私の訪ねた今回も京都のデパートに出張中で会えませんでした。
雄勝玄昌石は地質学的には2~3億年前の地層に属する黒色硬質粘板岩です。光沢・粒子の均質さに優れています。その純黒の色合いと、圧縮・曲げに強く、吸水率が低いために科学的作用や長い年月にも変質しないという特色を持つと言われます。
硯からはその均質の粒子等はわかります。
しかし、その純黒の石肌は、いつまでも見飽きない優雅さがあり、柔らかな黒髪を思わせる女性美のようです。TABLE WAREに紹介することが目的でしたが、その美しさは想像以上でした。
手仕事専科でご紹介できることに嬉しく思いました。
開和堂硯舗 山崎勝 http://tesigotosenka.com/ogatusuzuri.html
平皿270角 
TW-FS270 ¥8,000
注文
箸置き丸型5個セット 
TW-HM5 ¥5,000
注文
お香立てコースター90角 
CR-001 ¥1,500
注文
下野・会津・津軽のブログ」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。株式会社とぴい企画  080-5089-9227  topykikaku@ybb.ne.jp 下野・会津・津軽の四季風景 ■下野・会津・津軽の歴史街道 ■和美との生活・和美空間 ■伝統的食品のブログ