今日は楽しいお話です。
御朱印帳をご存じでしょうか、メールで宮染グラデーションの手ぬぐいのお問合せでした。宮染でもグラデーションの小柄手ぬぐいは、それ程種類は多く無いのですが、尋ねると御朱印帳をつくられていると言います。宮染めの「寿づくし」1枚からB-5サイズの御朱印帳が一冊作れるようです。下の写真がそうです。
素敵ですね。
御朱印帳 青の寿づくし |
宮染は、江戸時代後期に始まる宇都宮の伝統工芸品です。江戸末期の頃、真岡木綿(現在の真岡市で織られた木綿地)が盛んになり、その木綿地を染めるために宇都宮市内を流れる田川沿いに染物職人が集まり袢纏等を染めるようになったのが始まりです。
その後、明治に移り、注染(ちゅうせん)という技法が生まれ浴衣や手拭いを一枚ずつ丁寧に染め上げてゆくようになりました。
宇都宮に流れる田川を中心に栄えた染物を総称して「宮染・みやぞめ」と名付けられたのです。注染という技法自体は、明治期に発明されていますが、現代のシルク印刷等のプリント技術の開発により、手間暇がかかる注染は、だんだん使われなくなりつつあります。それでも、その風合いを愛でる方々が多く、その良さを知る人々に人気があります。プリントは洗うと段々に褪せてますが、片側だけですので、みっともない状態になりますが、注染は、裏表に色が通っていますので、色褪せてもそれが、かえって素敵な風合いとなります。それが人気の秘密です。宇都宮に残る工房は、3軒を残すのみとなりました。手ぬぐいと江戸浴衣の中川染工場、印染(半纏)の福井染工場、です。ともに手仕事専科のお取扱いの工房です。
注染の染液を注いでいるところ。 折り返した12枚の小柄手ぬぐい (35cm×90cm)に伊勢型紙を通して、 色を吸引して染めます。 かなりの熟練度を要するようです。 |
注染の反物を洗い干します。 かなり高い物干し台から吊るされ、 中川染工場の風物詩です。 |
■下野・会津・津軽の四季風景 ■下野・会津・津軽の歴史街道 ■和美との生活・和美空間 ■伝統的食品のブログ