2021年2月10日水曜日

宮染手ぬぐいで作る「御朱印帳」.中川染工場Vol001

今日は楽しいお話です。
御朱印帳をご存じでしょうか、メールで宮染グラデーションの手ぬぐいのお問合せでした。宮染でもグラデーションの小柄手ぬぐいは、それ程種類は多く無いのですが、尋ねると御朱印帳をつくられていると言います。宮染めの「寿づくし」1枚からB-5サイズの御朱印帳が一冊作れるようです。下の写真がそうです。
素敵ですね。
御朱印帳 青の寿づくし
              
宮染は、江戸時代後期に始まる宇都宮の伝統工芸品です。江戸末期の頃、真岡木綿(現在の真岡市で織られた木綿地)が盛んになり、その木綿地を染めるために宇都宮市内を流れる田川沿いに染物職人が集まり袢纏等を染めるようになったのが始まりです。
その後、明治に移り、注染(ちゅうせん)という技法が生まれ浴衣や手拭いを一枚ずつ丁寧に染め上げてゆくようになりました。 
宇都宮に流れる田川を中心に栄えた染物を総称して「宮染・みやぞめ」と名付けられたのです。注染という技法自体は、明治期に発明されていますが、現代のシルク印刷等のプリント技術の開発により、手間暇がかかる注染は、だんだん使われなくなりつつあります。それでも、その風合いを愛でる方々が多く、その良さを知る人々に人気があります。プリントは洗うと段々に褪せてますが、片側だけですので、みっともない状態になりますが、注染は、裏表に色が通っていますので、色褪せてもそれが、かえって素敵な風合いとなります。それが人気の秘密です。宇都宮に残る工房は、3軒を残すのみとなりました。手ぬぐいと江戸浴衣の中川染工場印染(半纏)の福井染工場、です。ともに手仕事専科のお取扱いの工房です。
注染の染液を注いでいるところ。
折り返した12枚の小柄手ぬぐい
(35cm×90cm)に伊勢型紙を通して、
色を吸引して染めます。
かなりの熟練度を要するようです。
注染の反物を洗い干します。
かなり高い物干し台から吊るされ、
中川染工場の風物詩です。

これらが、帯で巻いた
小柄手ぬぐいです。
豆絞り
しかし、豆絞りを良く見ると、
豆絞りという手拭の代表的な柄は、
一見すると、西洋柄の水玉模様ドットに見えます。
不揃いの豆粒が、縦に正しく繋がって並んでいます。
それは、子孫が途切れずに何世代も
繋がっていきますようにと、
子孫繁栄の切なる願いがこもっているのです。
唐草模様
昔、シルクロード経由で奈良時代に渡来した伝統的なデザイン。
単純な上にどこまでも連続した模様が縁起良いと言われる柄です。
つる草は生命力が強く、
茎をどこまでも伸ばしてゆくところから
、長寿や子孫繁栄の象徴とされています。
唐草模様は江戸時代から明治にかけて、
一番流行した柄です。

江戸時代には厄除けの文様とされました。
うろこ模様は蛇や蝶を連想して、脱皮を表し、
厄を落とし再生するという意味があります。














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