会津には、赤べこの工房、(有)荒井工芸所があります。昨年から干支の丑として、また、コロナ禍から、疫病にご利益の有る赤べことして、異常に人気沸騰しました。弊社からの御注文が、多いのは当然ですが、他に大手小売店から纏まったご注文があり、工房では想定はしていたものの、御贔屓のお店からの御注文に対応できずにいつ出来上がるかもわからない状況でした。
手仕事専科と言いながらも、手仕事が、どのようなものかをまじまじと知ることが出来ました。御注文が増えたからと言って、即には対応できないのです。職人は、特殊な技能を持ちますが、臨時雇いやアルバイトで対応できる部分がありません。家内工業的に家族や長年勤めたパートのおばさんや家族の職人による仕事です。そして、外部委託でつくる部品などがあります。考えてみても100個の製造予定が、急に10倍の1000個にすることさえ、徹や徹夜で対応することになります。それで体を壊しては元の木阿弥です。職人の日々の仕事を知らない私は、直ぐに対応できないけれども、数か月先の納品のお約束で御注文を受けました。売手としては、断ること「NO!」と「出来ません」はご法度です。何が何でも対応する、目のまえの商機を逃すことは、あり得ません。
しかし、「お客様はお待ちいただいていますから、大丈夫です。」と言いご注文を伝えると(有)荒井工芸所さんから、お叱りを受けてしまいました。予約ではなく、注文を断ってくれと言います。半年先まで、作れるようになるまで、断ってくれと。いつ出来上がるかもわからない上程でご注文は、受けられないと頑なに言うのです。仕方ありませんので、1月の時点で、6月までご注文をストップしました。そして、既にご注文の方々には、お待ちいただきました。随分多く、御注文のお客様に遅延の御連絡を致しました。豆にご連絡をしお詫び申し上げました。嬉しいことに殆どのお客様は、忙しさから遅れることに御理解を頂きました。つくづくと「日本人で良かった。」と思いました。職人さんの苦労を分かってくれたのです。一部数人の方が、手作りということがどのようなものかが分からずにキャンセルをされました。若い女性の方でしたが、仕方ありません。
やっと、御注文が解禁となり、これ程に嬉しいことはありません。会津の伝統的玩具、赤べこの御目見えです。
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