2021年3月15日月曜日

漆器の事情.漆器工房鈴武Vol001

手仕事専科では、会津地方の漆器がありますが、会津塗の漆器工房鈴武会津近江屋漆器店を取扱っています。漆器工房鈴武は、手仕事専科のスタート時からのお取引です。前身のホテル勤務の際に近畿ツーリストのクラブツーリズムのお客様を年間随分と招聘しておりましたが、その滞在中日の日帰り旅行で、会津若松の漆器工房鈴武の見学ツアーを組んでいました。布着図案で知られる鈴木誠一郎氏との由縁から、取り扱いが出来ました。鈴木氏はデパートの実演販売を主に行っており、同時に店舗見学のお客様への店頭販売が、2本柱です。しかし、ここ10年ほど経営環境が大きく変わりつつあります。ひとつは、福島第一原発の事故から、バスツアーも無くなり観光客が殆ど来無くなりました。それから10年が過ぎるのですが、徐々に戻りつつありましたが、昨年のコロナ禍から、壊滅的です。従業員も休ませざるを得ませんし、持続化支援金があり、従業員の雇用も細々としていましたが、成す術がありません。

会津の伝統工芸品は、漆器以外にも会津木綿起き上がり小法師赤べこ会津絵蝋燭などがありますが、これまでも会津の伝統工芸品は、問屋として製造している部分もありますが、観光で成り立っています。その観光がゼロ近くになったのですから、壊滅的なダメージです。漆器工房鈴武の話では、殆どの商品が作れなくなりつつあるといいます。木地師と言われる人たちが高齢からと需要の低減から廃業となっており、現在の商品がなくなり次第に廃版になるものが、殆どです。商品は、同じ木地を使うのなら安価な紅布着から、高価な縄文の朱や黒に絞り込むことになりました。また、布着せでない一般的な漆器は皆無となりそうです。頁のメンテナンスを行いながら、画像からこれらの美しい商品が淘汰(廃版)されてゆくことに悲しさを覚えました。伝統工芸品のイエローカードから、レッドカードに代わることは予測していましたが、このような経過で失われてゆくとは、嘆息が出ます。

紅布着一汁三菜
縄文朱一汁三菜
会津絵
紅布着湯呑み(大小)
紅布着珈琲椀(小)
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