2020年6月28日日曜日

神谷正一邸を尋ねて

手仕事専科には、益子焼神谷正一があります。もう6年ほど前にお亡くなりになられていますが、その後は彼のファンが、作品を求めてご注文が続きましたが、今は大物の皿や壺だけが残っています。人気のマグカップや夫婦湯飲みなどは、もうありません。
数日前に海外の方から神谷正一氏の奥様のメールアドレスを訪ねられました。ポートランド日本庭園財団の方からでした。
6年ほど前にそちらの会場で益子焼の展示がありました。その会場には、神谷正一氏の作品も数点展示されましたが、本来なら同行する予定だったそうです。
しかし、神谷氏は病気から亡くなられ同行することができませんでした。
その時に作品や展示会の写真を神谷氏の奥様に送り届けたいとのことでした。
益子陶器(株)のお取引先ですので、篠原さんにご連絡をお願いしました。
ちょうど、ご在宅でしたので午後の時間で神谷正一邸を訪ねました。
 
神谷正一氏のホームページを作った時に伺って以来でした。
今もその当時のままで静寂さのただよう佇まいでした。美しい和造りの工房に入ると嘗て神谷正一氏の作業していたままになっていました。
そして今は主(あるじ)無しの工房です。
奥様からいろいろな話を伺いました。
町の癌検診で異常が見られたようですが、医師の判断は胃炎性びらんだったといいます。
誤診になるのですが、結果的には悪性腫瘍の末期でした。
彼は人間国宝だった島岡達三氏の工房で長年働いていました。
16歳からです。
そして、「自分は、職人だ。」と言っていたといいます。
弟子と職人では異なります。
それでも東京の島岡辰三氏の講演会でそこの人達に神谷氏を弟子だと紹介してくれたと言います。
戻ってから、その話を奥様に嬉しそうに話していたと言います。
弟子と職人とでは異なります。
 
奥様からメールアドレスを伺い、ポートランド日本庭園財団の職員の方に送りました。
ご縁からでした。
神谷正一氏のホームページを作りそのことから、奥様と出会いお話を伺うことができました。

その会場で神谷正一氏のバナーが掲示されていました。
神谷正一氏と同じく島岡達三氏の門下で修業された方が、追悼の文章を書いたと言います。
素敵な文章でした。
外に出ると大きな緑の古木に赤い花が咲いていました。
石榴だと言います。  
その奥に彼の愛した穴窯が見えます。
主のない風景はさみしいですね。

I have always enjoyed using mashiko's local clay and glaze materials in my work,
creating functionl pottery that people can enjoy using in their daily lives.
I have a strong passion for anagama firing with all natural effects on my big vases and platters.
unfortunately,Iam unable to be here.
Ideparted from this world last year in may,but my spirit is very happy to be present here in my work,and with my colleagues.
地元益子の土や釉薬を使って、日常生活で使える機能性のある陶器を作ることを楽しんでいます。
大きな花器や大皿に自然の効果を生かした穴窯焼きに強いこだわりを持っています。
残念ながら、私はここにいることができません。
昨年の5月にこの世から離れてしまいましたが、私の魂がこの世界で仕事をしていること、
仲間と一緒にいることをとても幸せに思っています。
 
写真の奥に屋根が見えますが、
こちらに穴窯があります。
彼の愛した穴窯
ここで大作の大皿や壺、花器を
焼いていました。
在りし日の神谷正一氏

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