2015年1月27日火曜日

宮本工芸の掘出しの逸品「網代編手提巻手」と「網代編財布」

手仕事専科では、宮本工芸の商品を扱っておりますが、人気者ですと約6年待ちとなります。
受注生産ですので、かつてのようにデパートに並べておく物ではありません。
しかし、6年という年月に耐えかねて、身近に見つけた山ぶどう皮の似たような商品に手を出される方がおられます。
それもありでしょうが、宮本工芸網代編手提巻手の篭がどのようなものかを知るとせっかくの御縁が、残念に思えてきます。
本物を知る者だけが思う気持ちだと思っています。

現在、次の2点が、手元に届いていますので、ご案内いたします。
お求め御希望の方は、御連絡下さい。
2015.01.30 網代編手提巻手は、販売終了
残念ながら、本日お求めの方が、現れてしまいました。
とてもラッキーな方です。
残すところ、網代編財布だけになります。
こちらも数日中には、お求めの方が、現れると思います。

(追伸)
網代編手提巻手(2分幅)は、6年待ちで御注文を承っております。
それでも中には、待ちきれずにキャンセル方もありますので、
そちらの物を御予約される方もございます。
2012年御予約の物を現在お届けしております。
網代編手提巻手
網代編財布
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2015年1月12日月曜日

中太弓張提灯のご紹介

手仕事専科では、和提灯新波の提灯(にっぱのちょうちん)が、在ります。
栃木県内には、屋台がくりだす祭りが多いといいます。
屋台祭りの華は、夕暮れとともに行われる神社境内への繰り込みです。この祭りの華を演出するのが、提灯であり、満艦飾に提灯をともした屋台は、幻想的です。
提灯の製作は、大きく分けると二つの工程からなります。

一つは、竹籤を糸で括って形を作り、その上に和紙を貼って原型を作る作業、もう一つは、原型に家紋や文字を描く作業です。
前者の作業をするのを張り子、後者を提灯屋といい、提灯屋は張り子が作成した原型を問屋を通じて購入します。
 田中家の提灯作りは、江戸時代に始まるといわれ、地元の延照院潮音寺住職より技術を伝授されたといい、梅雄氏で四代目になります。

私が、新波の提灯をご紹介しようと思ったのは、すでに30年以上前になるのですが、梅雄氏の先代との御縁があったからです。
その時に頂戴したのが、御神燈です。その油引きの「あまに油」の匂いと時代劇的な弓張りが、提灯らしくて好きでした。
今日のメンテナンスでは、中太弓張り提灯の面白さを感じました。
現在、「中太家紋入弓張り提灯」のご注文を頂戴しております。
海外へのお土産や、代々の提灯の作り替え、そして、「よさこい」などが、需要となります。
図柄は、御客様のご希望からお選びいただけるのですが、O・B・M handcraftsともいえる提灯になるでしょうか。
いくつかの中太弓張り提灯をご紹介いたします。

中太家紋入弓張提灯            ¥10,000
 サイズ  Φ13cm×50cm
 ■商品コード S-10002■ 
 
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2015年1月9日金曜日

桑の木からつくる急須と湯呑み

手仕事専科には、木工轆轤(ロクロ)鈴木民芸があります。
ロクロの木工品を轆轤(ロクロ)挽きから、挽き物といいます。
日光東照宮による造営から、そして、補修等の仕事があることから、鹿沼、今市、日光は、職人の街でもありました。
鹿沼の寄木組子であり、東照宮、祭山車をつくる宮大工であり、木工ロクロ、漆芸の日光彫です。
きょうは、今市においでの鈴木正雪さんのページを改訂しておりましたが、優れた商品群をみているうちにブログで紹介したい思いに駆られました。
ひとつは、材料ともいえる桑の材が、少なくなっていることです。
桑材は、蚕の餌となる桑の葉の樹株をつかいますので、現在は、かつて行っていた養蚕の桑畑から取り寄せて保存していた物を使っています。
現の日本は、養蚕は、行わなくなりました。
世界遺産指定・国宝指定の富岡製糸場も産業としては、形をもっておりません。
その意味では、残念ながら、この桑の挽き物自体が、希少なものとなってしまいました。
すばらしいものではありますが、現状では、継承のための対策がありません。
今日は、哀しいことですが、手仕事専科で長年人気であった「会津木綿」の「原山織物工場」が、一月一杯で、廃業するご連絡を頂戴いたしました。
2011.03.11の東日本大震災から生じた「福島原発事故の放射能汚染」が、原因です。
観光立地の会津若松は、崖から飛び降りるほどの痛手を受けました。
観光ものとして、成りたっていた会津木綿は、製造をゼロにせざるを得ませんでした。「八重の桜」の支援による効果も一年ほどでした。
大河ドラマが、終了すると同時に波が引くように観光客は、減ってしまいました。
そのような中、三年間ほど、頑張っておられた6代目当主の原山公助氏が、昨年の末になくなられました。50歳になろうとする若さでしたが、過労からでした。
会津の観光産業は、疲弊しています。
伝統工芸品の産業も観光品が、殆どです。
日光市街も同様な影響を受けています。
桑材の木工轆轤(ロクロ)品は、同じ状況にあるといえるでしょう。
写真にてご紹介いたします。
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クワ(桑)はクワ科クワ属の総称。カイコの餌として古来重要な作物であり、また果樹としても利用される。
ログワの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬である。(日本薬局方による)
利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われる。
また、葉をの代用品とする「桑茶」が飲まれていた地域もあり、現在も市販されている他、若くて柔らかい葉は天ぷらにして食べることもある。
日本においてもクワは霊力があるとみなされ、特に前述の薬効を備えていたことからカイコとともに普及した。古代日本ではクワは箸や杖という形で中風を防ぐとされ、鎌倉時代喫茶養生記においては「桑は是れ又仙薬の上首」ともてはやされている。
湯呑・茶筒と桑急須
夫婦カット湯呑み
桑ぐい呑み
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2015年1月5日月曜日

象嵌工芸の夢工房

陸奥の北上市には、象嵌細工の木製品をつくる工房があります。
縁あって、手仕事専科でお取引をさせていただいているのですが、「夢工房」といいます。
Tell The Story という言葉がありますが、もともとこの陸奥のこの地にあった技術ではありませんでした。
そして、この有限会社夢工房は、近代的な企業家の方が、起こされた手仕事です。
もともとは、まったく異なる業界の企業オーナーです。
しかし、ご自分の美に対する心から、美的感性からスタートされました。
お一人の方の「夢」が、形になったものです。
夢工房の作品は、「ほおずきの夢灯り」が、スタートです。

こちらの作品が、オーナーの創られたものです。
それから、象嵌技術の習得と改善があり、現在のような作品を創ることが出来るようになりました。
箱根の箱根寄木細工と木象嵌が、有名です。

似ている作品ですが、まったく異なる技術による工芸作品です。
伝統工芸品ではありませんが、美しいすぐれた手仕事工芸品のスタートになります。
代表的な商品をご紹介いたします。
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・象嵌(ぞうがん、象眼とも)は、工芸技法のひとつ。
象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味がある。象嵌本来の意味は、一つの素材に異質の素材を嵌め込むと言う意味で金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌等がある。
その中の金工象嵌は、シリアダマスカスで生まれ、シルクロード経由で飛鳥時代に日本に伝わったとされる。
江戸時代には京都などに優れた職人が多数生まれ、日本刀の拵えや甲冑根付文箱重箱などに腕を振るった。
素材としては金属だけではなく、彩色した木材骨片貝殻陶磁器なども用いられる。
・京象嵌として有名な布目象嵌を例として挙げる。
  1. まず真鍮四分一(銀と銅の合金)生地(主に鉄)の表面を専用の鏨で布目模様の溝を彫る。
  2. 次に薄く延ばし型取りした純金や青金、純銀の板・線をそのくぼみに金槌を使いながら埋め込む。
  3. 表面の微細な段差をなくし、滑らかに加工するために、漆を塗り、焼きをいれた後に研ぐ。この工程は数回繰り返される。
  4. 全体を再度研磨して仕上げる。はめ込んだ部品やその周囲にさらに彫刻を施す場合もある。
・特にこの布目象嵌は純銀純金を使用するために、ポルトガルから日本に布目象嵌が伝えられた当時から大変高価で庶民が手を出せる物では無かった。
そのため、代用品として漆芸の中の蒔絵が発達したと言う経緯がある。
また金属象嵌には窪みを掘って図案に沿って切った金属板を嵌め込む「平象嵌(本象嵌ともいう)」、透かし抜いた図案の穴にピッタリ合わせ嵌める「切り嵌め」、高肉彫りを施した金属板を嵌め込む「高肉彫色絵象嵌」、「線象嵌」、「打ち込み象嵌」、「黒金象嵌(ニエロ)」、「銷(け)し象嵌」等がある。
これらはいずれも彫金技法の中の一つである。
その他磁器においては、いったん成型した器に彫刻を施し、そこに色の異なる土を象嵌する方法がある。
また金属ではなく、薄く削った貝殻をはめ込む技法は螺鈿(らでん)と呼ばれる。「螺」は貝のことで、「鈿」は象嵌のことである。
また、様々な色調の木材をはめあわせて絵の板を作り、それをカンナで薄く削り、和紙に貼り付けたものは、 いわゆる「寄木細工」の技法のひとつで、木象嵌(もくぞうがん)と呼ばれる。
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貝印インレイプレート ロング
黒壇箸置
茶托
黒壇箸 雅
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2015年1月3日土曜日

南部古代型染 蛭子屋小野染彩所

手仕事専科には、南部藩の手仕事があります。
現在は、お取引が中止となっておりますので、直接お問合せ下さい。

南部古代型染
(有)小野染彩所
〒020-0063 岩手県盛岡市材木町10−16
  019-652-4116
 
その縁起をご紹介いたします。
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この型染は古く南部藩時代に武家の間に用いられた衣類等の図柄を今日に生かしたものでございます。
 昔は裃、袴、小袖に使用されたものでございました。
 私どもの家業は藩政時代からこの型染に専心し、今に続いております染師でございますが、この型染をつくづく見ますとこのまま捨て去るに忍びないものがありますので「南部古代型染」として皆様のお手許にお届けしてご鑑賞に供する次第でございます。

(南部古代型染)
 名 称:近代に対して、古代と呼称す。
 歴 史:初代 蛭子屋三右エ門 寛永五年(1628年)
 用 途:武家階級の使用が主であった。

  1. 祖先は、代々南部藩御用の染師であったので、当時使用した染型紙が大切に保存されてきた。又、技術も代々継承されてきた。
  2. 環境としてその保存に恵まれたのは、東北の端の地であり、他からの影響も少なく淘汰されることなく温存され高められていった。
  3. 仕事を一貫作業とし、一切の作業を手加工とし、型造り工程から仕上げ迄に至る。
  4. 後継者に恵まれ、又時期的にも古き物の良さが再認識され復活を期待する声が高まった。
  5. 製品の完成度に留意すると共に、時代への適合も心掛けている。又、購入客の希望もとりいれている。
  6. 伝統的なすくも藍、ふすま、木灰の醗酵建てによる藍色の躍動が藍染の魅力であり、昔ながらの染法を今も守り続けている。そして今も尚、魅力を放っている。現在使用している藍は、南部藍が生産されなくなった今日、阿波徳島産である。  


 文様と製作方法は、中国から流入した文化である。その美術文化の源流である中国に1966年5月、北京、上海、蘇州、抗州、広東へ技術指導のため訪中する機会を得、そして日中交流の足跡を辿ることが出来た。文献によると文様は1500年前既に交流があったとう言うことである。そして、原型を損なう事なく脈々と生き続けている。
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これらの型紋様は、南部古代型染の代表的な4点です。
わたしの知る限りでは、すぐれた美しい紋様です。
これらの物が、型から布に染められていろいろな被覆や和雑貨になっていることは、すばらしいことに思えます。
向鶴(むかいづる)
南部公の紋章、向鶴を菱文に文様化したものである。
この菱鶴の形状は、南部古代型独特のものである。
四つ割菱(清和源氏義光流)
武田氏の家紋は「四つ割菱」である。
すなわち「武田菱」として有名なもので、
武田氏の専用なので武田菱の名が起こった。
武田氏は割菱ほかに「花菱」も用いたが、
花菱は裏紋または控え紋として用いたようで、
女性などがやさしさを表わすために多用したようだ。
この花菱も菱形を花の文様に変化させたもので、
武田氏とその一族の家紋は「菱」で代表されている。

千羽千鳥(せんばちどり)
甲州南部郷の将、南部義光とともに
三戸に渡った染師蛭子屋三右エ門は、
海岸に群れ飛ぶ千鳥の美しさにみとれて、
その模様を型に彫ったものという。
南部古代型の独特な模様である。

南部萩(なんぶはぎ) 南部古代型の中でも最古の模様と思われる。
乱れ彫りの中に、線の流れの美しさがみられる
祝儀ばさみ
ペンケース
テーブルセンター
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2015年1月2日金曜日

創作銀工芸の紹介

手仕事専科では、昨年中に創作銀工芸青野信夫をアップいたしました。
青野さんの話では、銀細工については、いろいろの思い込みがあって、なかなかその良さを分かっていただけないと仰っています。
かつて、バブルの頃に売れればいいということで、銀細工ものの取扱いを説明しないで、販売していたことから、銀は、すぐに真黒に錆びてしまうと思い込んでいます。
取扱いをしっかりとすると黒ずむことを避けることが出来るといいます。
その工芸としての扱いやすさとその光沢は、魅せられることと思います。
わたしの左手の小指に20mm幅の指輪が、嵌っています。
わたしのお気に入りです。
わたしの友人は、気障だから辞めろと言いますが、慣れると手放せなくなります。
わたしの好きなデザインとその「20mm幅指輪の製作工程」をご紹介します。


・20mm幅指輪-05                        
¥21,000
・♯14.0  ・幅:Top=20mm Under=8mm  
・Silver950
●鏡面仕上げ ●サイズオーダー可
■商品コードS-4020m05■
         
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