2018年6月20日水曜日

朝鮮通信使の下川原焼土人形のお届け

手仕事専科には、津軽の伝統工芸、下川原焼土人形があります。
その工房は、阿保正志さんが作っているのですが、この度のお話は、本家高谷家の話です。

先日、尼崎市にお住いの方から、仲尾宏著:朝鮮通信使-江戸日本の誠信外交(岩波新新書に)3体の下川原焼人形が、紹介されているけれども、その人形を気に入っており、探していますとのお電話を頂戴いたしました。
在日朝鮮人の方です。
隣国の朝鮮を通じて長い交流の歴史があります。
今回出来上りお届け出来た人形です。
左が太鼓持ち。右がラッパ吹きです。
下川原焼土人形。
その後、調べたところ広島県の呉市に(公財)蘭島文化振興財団があり、そこにその人形が残っていることが分かりました。
12体の人形です。
資料としては、一級品ですが、骨董品としては、残っているのでしょうが、現在、作っているのかというと難しいことになります。
画像をご覧ください。

そのようなことから、下川原焼土人形の高谷智二さんを知ることが出来ました。
下川原焼土人形7代目になります。
とても真面目に下川原焼の継承に取組まれており、彼の伝統に対する考え方を知ることが出来ました。
最終的にこちらの玩具のうち、3種類の型があることが分かりました。
これらの物を愛で、愛玩として求められる方は、少ないだろうと思います。
決まって求められるのは、郷土玩具の収集家になります。
春先の話から、やっと、お届けすることが出来ました。
ご縁に感謝したいと思います。
求められる方が居られ、その方から、朝鮮通信使の歴史を知ることが出来ました。
そして、お求めに応えることが出来ました。

 朝鮮通信使(ちょうせんつうしんし)とは、室町時代から江戸時代にかけて李氏朝鮮から日本へ派遣された外交使節団である。正式名称を朝鮮聘礼使と言う。
 
朝鮮通信使のそもそもの趣旨は、室町幕府将軍からの使者と国書に対する高麗王朝の返礼であった。1375年永和元年)に足利義満によって派遣された日本国王使に対して(よしみ)を通わす使者として派遣されたのが始まりである。15世紀半ばからしばらく途絶え、安土桃山時代に李氏朝鮮から秀吉に向けても派遣された。しかし、その後の文禄・慶長の役(壬辰・丁酉倭乱)によって日朝間が国交断絶となったために中断されて、江戸時代に再開された。
広義の意味では室町時代から江戸時代にかけてのもの全部を指すが、一般に朝鮮通信使と記述する場合は狭義の意味の江戸時代のそれを指すことが多い。「朝鮮通信使」という表現は研究者による学術用語であり、史料上には「信使」・「朝鮮信使」として現れる。また江戸幕府は朝鮮通信使の来日については琉球使節と同様に「貢物を献上する」という意味を含む「来聘」という表現をもっぱら用いており、使節についても「朝鮮来聘使」・「来聘使」・「朝鮮聘礼使」・「聘礼使」と称し、一般にもそのように呼ばれていた。

江戸幕府の外交政策において、朝鮮は琉球王国と並んで正式な国交のある通信国とされていた。その他の中国の、ポルトガル(南蛮)、オランダ・イギリス(紅毛)といった国々は貿商国と定義されており、貿易は行いつつも幕末まで正式の外交関係はなかった。このため朝鮮通信使は江戸幕府の威信を示す機会であるとともに、文化交流のきっかけにもなった。

下野・会津・津軽のブログ」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。株式会社とぴい企画  080-5089-9227  topykikaku@ybb.ne.jp 
下野・会津・津軽の四季風景 ■下野・会津・津軽の歴史街道 ■和美との生活・和美空間 伝統的食品のブログ

 

2018年6月15日金曜日

山ぶどう皮手篭の修理(before・after)--宮本工芸

津軽のあけび蔓細工の工房、(有)宮本工芸では、あけび蔓、山ぶどう皮手篭の修理を受付けています。
ネット通販等で購入されても数年~5年も経つと持ち手が痛んだり、蔓が折れたり、仕舞い込んで虫に喰われたりすることが、あります。
どちらも使い方次第なのですが、これらの自然の素材で作る篭は、修理をしながら長年使い続けることが出来ます。
山ぶどう皮手篭は、孫子の代まで使い続けられると言います。
御祖母ちゃんの形見を娘が次いで、そして、孫娘が使うからです。
形見は、大切に仕舞っておいてではなく、普段使っていたものが形見になるのです。
季節を迎え、その手篭を見ると祖母を母を思い出すから、形見です。

今回、2点の修理を承りました。
ふたつともタンスに仕舞っていて、虫食いにあったものです。
1カ月弱で見事きれいに修理されました。
お気に召して頂き、安堵しております。
手仕事専科   http://tesigotosenka.com
(有)宮本工芸 http://tesigotosenka.com/akebituru.html

before after でご紹介いたします。
[before]
箪笥の中に大切に仕舞っていたと言いますが、
箪笥の中は、空気の流れがなく、湿気が生まれます。
虫の繁殖しやすい環境です。
小さな虫なので、分かりません。
虫食いかどうかは、白い粉が落ちていると
虫に喰われている最中です。
山ぶどう皮手篭は、高額になります。
このように無惨に喰われてしまうとため息がでますね。
底だけが喰われていました。
何本かの皮が喰い千切れています。
[after]
何本かのあけび蔓を差し替えました。
きれいに丈夫になりました。
殆ど分からないほどにきれいになりました。
-----------------------------------------------------
■蔓細工の特長
・堅牢無比、耐久性に富み,年を経るに従って光沢を楽しむことができます。親子数代にわたって 使用されているのも珍しくありません。

蔓細工の上手な使い方
・かるいほこりは編目にそって乾いたたわしで撫でてください。
・汚れがひどくなった場合は水洗いしても大丈夫です。ただし,洗剤を使わずしっかりと陰 干しをして下さい。
お手入れの方法
・本製品の一番のお手入れ方法は、しまいこむのではなく使い込むことです。特に梅雨時な ど湿気が高くなる時期は,カビなどの発生は自然と多くなるので、しまいこむのは避けて くださるように お願い申し上げます。
修理のお問合せ
・大切にしたい、愛着ある篭でも、長年使い込むうちに取っ手などに修理が必要となります。修理をすれば、まだまだ長く使うことが出来るのが、蔓細工です。
 「修理が」と思われたら、手仕事専科までお気軽にご相談ください。

-----------------------------------------------------
下野・会津・津軽のブログ」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。株式会社とぴい企画  080-5089-9227  topykikaku@ybb.ne.jp 
下野・会津・津軽の四季風景 ■下野・会津・津軽の歴史街道 ■和美との生活・和美空間 伝統的食品のブログ