2020年2月1日土曜日

あけび蔓細工職人の高齢化-宮本工芸

(有)宮本工芸は、手仕事専科の工房です。もう随分と長いお付き合いです。
私が津軽に来たのは、平成7年3月29日、星と森のロマントピアへの赴任でした。
着いた早々に相馬村の山内村長はじめ重鎮の方々に紹介され、鍛冶町の料亭に繰り出しました。
言葉は、殆どわかりませんでした。
イエスかノーだけですが、雰囲気から相槌を打っていました。
それから、7年間お世話になりました。

宮本工芸さんのあけび蔓手篭は、弘前こぎん研究所の成田所長よりご紹介いただきました。その頃に弘前五人会なるものがあり大変お世話となりました。
本来は、私のような転勤族の者は、会員には成れないのですが、認めていただきました。その人脈が、私の津軽の伝統工芸品の販売に繋がりました。
弘前工芸協会の望月理事長と成田事務局長のお世話で会員の皆様にご紹介いただいたことが切欠です。

それから、10年が過ぎます。
手仕事専科は、160程の工房を数えますが、その間に随分と工房が廃業となりました。
一番の原因は、後継者がいないことです。
長年の経験と家工房があり、細々ながら続けてきた手仕事ですが、この生業を息子さんに継がすことができません。
親子二人が生活できる収入は、得られないからです。
子供を学校に通わせられないのです。
息子さんは、サラリーマンにならざるを得ません。
しかし、親父が引退する年齢70代になっても今更、サラリーマンの収入を捨てて継ぐことはありません。
技術の習得も営業的にも成り立たない時代と変わりました。

最近、宮本工芸でも廃盤商品が、増えました。
それを編上げる職人が、高齢化から、居なくなったことによります。
宮本工芸では、子飼いの職人も高齢化が進んでいます。
近隣のリンゴ農家のあけび蔓細工を行う方々も高齢化から、辞めてゆきます。
2011年のNHKBS『美の壺』でご紹介された網代編手提巻手(2分幅)の際にTVでご紹介された葛西あきらさんもその後に高齢化から、作る篭の数がめっきりと減りました。
そして、今はもう作れなくなりました。
当時のTVを見て、葛西さん作の網代編手提巻手をご注文された方々は、沢山おいでです。
残念ながら、御断りをせざるを得ません。
手仕事は、人が営む仕事です。
継承には、後継者が必要です。
円滑に行われることを願いますが、社会は、変革しています。
同じ環境で、そして同じ社会では、難しいですね。
2012年の6月15日ですが、宇都宮東武デパートの青森山形宮城物産展で葛西あきらさんにお会いしました。
その際のスナップです。

手仕事専科          http://tesigotosenka.com
宮本工芸           http://tesigotosenka.com/akebituru.html
網代編手提巻手(2分幅) http://tesigotosenka.com/pic/t-15pic/t-15019-5.html
網代編手提巻手(2分幅)
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