2020年7月19日日曜日

祖父の切り出しナイフー二唐刃物鍛造所Vol.001

2018年に二唐刃物鍛造所の価格改定がありました。
従来の価格が倍にアップしました。
刃物が売れない時代です。
二唐刃物鍛造所は、二唐家刀鍛冶の刀工の家になります。
現在は、8代目吉澤剛が継いでいます。
二唐家は津軽藩より作刀を命じられて以来350年の伝統をけ継ぐ刀鍛冶の名門です。昭和になってもその名刀「国俊」は折にふれ、人にふれ数々の栄誉に輝いてきました。
二唐刃物鍛造所を語る時に、先代の二唐圀俊を抜きに語ることは、出来ません。「作刀展では多数の栄誉ある受賞を果たし、伊勢神宮、明治神宮の奉納刀を作製し奉納、 また初代横綱若乃花、二代横綱若乃花の土俵入り太刀を作製され、無監査刀匠まで登りつめた名匠、二唐圀俊(明治39年生まれ)。」
吉澤俊寿氏は、「二唐圀俊」を祖父に持つ、7代目です。「よし久」はこの二唐家の「国俊」の作刀技術をあますことなく庖丁作りに注いだ和庖丁の名品です。「良品は声なくして人を呼ぶ」を、銘訓として、鍛え上げられた品質の高い刃物を作り続けておられます。

10年ほど前に手仕事専科でお取引がスタートしたのですが、その頃は価格も安く高度成長期の延長上にあったのでしょう。
しかし、それでは刀匠は成り立たないのかと思います。

祖父兼次郎は、明治35年那須郡旧伊王野村の生まれです。小作農家の長男ですが、早くに母を亡くし後妻のキンの元で育ちました。
器用というよりも当時の農家では、何でも自前で作り準備します。自給自足の生活が当たり前です。鋸や鉈、鎌の手入れは鑢を使いすべて自分でやっていました。
私は子どもの頃にその祖父を見て育ちました。
家の道具箱には、鉋や曲尺、鉈、鋸、鑿、大工道具一式に切り出しナイフがありました。
私はそれを使って、いろいろと遊び道具を作っていました。
鳥獲りのバッチン罠や弓と弓矢、家の前を流れる合川に簗を仕掛けました。そのおかげで自分の中学校の頃の手の指を見ると26箇所もの傷跡が付いていました。
切り傷の数を数えたものです。
器用ではないけれども金物は常に身近にありました。
そんな私が二唐刃物鍛造所に出会いました。
日本一の刀工の家です。

しかし、この度の商品リストでは、殆ど価格設定から外れました。
暗紋の和包丁とクラフトナイフ、黒内クラフトナイフだけになりました。
刀工の技術は、本焼和包丁に活かされていたのですが、そのメインの商品が外れたのです。
要御見積です。
令和になり、新しい戦略、商社とタイアップしと海外に販売すると言います。
日本の伝統の刃物を日本では売れないから海外に販売するとは如何なものでしょうか。
あまりにも悲しい選択です。
日本の名門刀匠の二唐家。
手仕事専科では、二唐家の打ち刃物を販売し続けます。
そして、その良さを伝えてゆきます。
そのように決意しました。
二唐刃物鍛造所  http://tesigotosenka.com/utihamono.html
手仕事専科     http://tesigotosenka.com

暗紋クラフトナイフ
暗紋クラフトナイフ
黒打クラフトナイフ
本焼和包丁
牛刀
 
 
下野・会津・津軽のブログ」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。株式会社とぴい企画  080-5089-9227  topykikaku@ybb.ne.jp
下野・会津・津軽の四季風景 ■下野・会津・津軽の歴史街道 ■和美との生活・和美空間 ■伝統的食品のブログ