2015年11月16日月曜日

驚きのTVの効果:南部箒

手仕事専科では、岩手県九戸町にある「高倉工芸」南部箒の工房をご紹介しています。
数年前に伊勢丹新宿店で高倉工芸の高倉清勝さんとご挨拶してからのお取引になります。ちょくせつ工房に訪ねましたが、自家製の箒もろこしを栽培されて、1からすべてを自前で行っていました。種まきから収穫・脱穀・乾燥と、そして、編上げです。
かつては、箒もろこしの生産者と作り手販売者は、すべてが、異なっておりましたが、それを一手に統合されています。

彼の経歴と私の経歴は、とても似ていました。
私は、前身は、農業の専門を学び、父が起業農業を行っておりましたで、先駆的な養豚や養鯉・養鰻を行い、その道では、かなり高度な農業技術を習得していました。
しかし、起業農業に必要な経営知識を持たないところから、事業は、破産いたしました。
尊敬する父の破天荒な人生に重なります。
一方の高倉さんも当時のお父上の事業に添い、農業大学を学び、養豚や幾多の事業を取扱いましたが、現在の南部箒の一貫生産に到達したと言います。
そして、高級品ということから、デパート等の催事で紹介と販売をされています。

2015.11.13(F)にTV東京の所ジョージの番組毎週金曜日夜9時「学校ではおしえてくれないそこんところ」で、南部箒が、取上げられました。
高倉さん自身が、出演して、南部箒をご紹介していますが、作り手の75歳の欠端タケさんのご紹介と実際に使われている方のインタビューでした。
13日の夜に南部箒のご注文が、殺到いたしました。
そして、現在でも続いています。
高倉さんの話では、
従来の1年間の売上に匹敵するご注文だと言います。そして、所さんの番組が、この後に地方局で放映されると、更に続くだろうとお話していました。
そこで、これから先のご注文は、1年以上先のお届けで、御注文を受けて下さいとことでした。
その際に、粗製乱造に走らないことをお話いたしました。

私のサイトでは、宮本工芸網代編手提巻手は、6年以上先のご注文でお受けしております。
理由は、材料の山ぶどう皮の収穫は、八甲田山や岩木山の麓からですが、数量が限られていること。
取りすぎると翌年に影響が出てしまいます。
そして、それらの手篭をつくられる職人さんが限られていることです。
販売政策からいえば、中国産の山葡萄皮を手当てすることや職人さんを育成することも選択肢にあるのでしょうが、それは行いません。
一番の要因は、国産の山葡萄皮に拘り、職人さんの技術に拘り続けているからです。
かつて、明治の頃ですが、会津の焼物が、一世を風靡したことがありました。パリ博覧会でグランプリを受賞した時ですが、その後、他の地方でも何でも会津焼として作り、輸出をしました。
哀しいかな、粗製乱造です。
そのブランド力は、続きませんでした。

南部箒も一貫生産ですから、収量も限られています。
同時に、編上げられる人々も限られています。
けっして、待たせることは、致し方ありません。
年間の制作本数が、限られていますから、半年、1年以上先になります。
しかし、粗製乱造と言える商品は、末代までも禍根を残します。
信用は、一夜にしてはできませんが、信用をなくすことは、一時です。
写真で、箒もろこしからつくる南部箒をご紹介いたします。
2代目高倉清隆氏
初代高倉徳三郎氏
小箒 20,000円(税別)
小箒30,000円(税別)
箒もろこし
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