2015年1月9日金曜日

桑の木からつくる急須と湯呑み

手仕事専科には、木工轆轤(ロクロ)鈴木民芸があります。
ロクロの木工品を轆轤(ロクロ)挽きから、挽き物といいます。
日光東照宮による造営から、そして、補修等の仕事があることから、鹿沼、今市、日光は、職人の街でもありました。
鹿沼の寄木組子であり、東照宮、祭山車をつくる宮大工であり、木工ロクロ、漆芸の日光彫です。
きょうは、今市においでの鈴木正雪さんのページを改訂しておりましたが、優れた商品群をみているうちにブログで紹介したい思いに駆られました。
ひとつは、材料ともいえる桑の材が、少なくなっていることです。
桑材は、蚕の餌となる桑の葉の樹株をつかいますので、現在は、かつて行っていた養蚕の桑畑から取り寄せて保存していた物を使っています。
現の日本は、養蚕は、行わなくなりました。
世界遺産指定・国宝指定の富岡製糸場も産業としては、形をもっておりません。
その意味では、残念ながら、この桑の挽き物自体が、希少なものとなってしまいました。
すばらしいものではありますが、現状では、継承のための対策がありません。
今日は、哀しいことですが、手仕事専科で長年人気であった「会津木綿」の「原山織物工場」が、一月一杯で、廃業するご連絡を頂戴いたしました。
2011.03.11の東日本大震災から生じた「福島原発事故の放射能汚染」が、原因です。
観光立地の会津若松は、崖から飛び降りるほどの痛手を受けました。
観光ものとして、成りたっていた会津木綿は、製造をゼロにせざるを得ませんでした。「八重の桜」の支援による効果も一年ほどでした。
大河ドラマが、終了すると同時に波が引くように観光客は、減ってしまいました。
そのような中、三年間ほど、頑張っておられた6代目当主の原山公助氏が、昨年の末になくなられました。50歳になろうとする若さでしたが、過労からでした。
会津の観光産業は、疲弊しています。
伝統工芸品の産業も観光品が、殆どです。
日光市街も同様な影響を受けています。
桑材の木工轆轤(ロクロ)品は、同じ状況にあるといえるでしょう。
写真にてご紹介いたします。
-------------------------------------
クワ(桑)はクワ科クワ属の総称。カイコの餌として古来重要な作物であり、また果樹としても利用される。
ログワの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬である。(日本薬局方による)
利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われる。
また、葉をの代用品とする「桑茶」が飲まれていた地域もあり、現在も市販されている他、若くて柔らかい葉は天ぷらにして食べることもある。
日本においてもクワは霊力があるとみなされ、特に前述の薬効を備えていたことからカイコとともに普及した。古代日本ではクワは箸や杖という形で中風を防ぐとされ、鎌倉時代喫茶養生記においては「桑は是れ又仙薬の上首」ともてはやされている。
湯呑・茶筒と桑急須
夫婦カット湯呑み
桑ぐい呑み
下野・会津・津軽のブログ」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。